ご挨拶

理事長挨拶

医療法人財団 暁 理事長の井村です。謹んでご挨拶申し上げます。

当法人の指揮を執るに当たり、「地域に根差す」といった良き伝統を守って行くのはもちろんですが、新たに力を入れたいことがあります。「人生を診る・看る」ということです。専門分化が進む現在、医療は疾患だけをみる臓器医療に陥りがちです。医療には分野ごとの高度な専門知識・技術は必須ですが、木を仔細にみるだけでなく、森をみ、山をみ、その歴史を将来をもみるべきだと考えます。

つまり、私どもは修理工ではないのですから、ただ病気だけをみるのでなく、現にここにいる人をみ、その生活をみ、属する社会から大きくは政治的・経済的・文化的な社会状況まで視野に入れて、この病気はこの人の人生にどういう意味を持つのかをみた上での医療ということです。

大袈裟だとお感じでしょうか? 確かに鼻風邪程度ならばそこまでする必要はないでしょう。けれども風邪を繰り返すとしたら?免疫力は日々のストレスでも隠れた大病でも低下します。これは既に繰り返される風邪という形で現れたその人の人生の一断面です。まして慢性疾患や大病ともなれば人生の質や社会的生命・生物学的生命に関わります。

この様に、病気を通して患者様一人一人の人生を考えること、時には共に歩むことが本当の 医療だと考えます。職員一同、真に親身な医療に努めて参りたいと思います。

理事長 井村洋一

院長挨拶

令和6年1月1日から伊藤前院長の後任として、院長に就任しました須甲(すこう)と申します。この場を借りまして、皆様にご挨拶申し上げます。

当院には平成20年(2008年)12月から常勤医として入職し、外来・病棟・特別養護老人ホームの診察等を担当してきました。専門としている循環器内科も含め幅広く診療を行う中で様々なことを学ばせて頂きました。病気に対する治療だけではなく、患者さんとご家族にとって何が必要な医療なのかを考えることも度々ありました。

医療の専門化・細分化が進み、高度な専門的診療で救われる患者さんが沢山いることは確かです。しかし、社会の高齢化が進展する中で、高齢の患者さんの診療を行う際に、複数の疾患が合併していることも珍しくはありません。
また、日本における認知症の人は増加傾向にあり、令和7年(2025年)には、65歳以上の約5人に1人は認知症と予測されています。
こうした高齢社会となっていく中では、病気の治療だけではなく、安心して生活ができるように支援していくことも必要になってきています。

現在、新型コロナウイルスの影響で、医療を取り巻く環境も大きく変化してきており、対応できなければ存続が難しい時代になってきています。

こうした社会環境の中、当院の理念であります「病だけではなく人生を診ます」を実践しながら、皆様から信頼される「地域に根ざす」病院であるように職員一同努力していきたいと思います。何卒、ご支援、ご鞭撻を賜ります様、よろしくお願い申し上げます。

院長 須甲陽二郎