日本消化吸収学会賞 受賞

脳腸相関とアルツハイマー病

アルツハイマー病(AD)発症後の有効な治療法はない。

AD発症の予防は、AD予備群[前臨床期AD(良性健忘症)、軽度認知障害(MCI)]を出来るだけ早期にスクリーニングして対症療法を行うことであるが、現在のところAD予備群をスクリーニングする検査法は開発されていない。

大原Dr等はAD発症が腸内細菌叢のバランスの乱れによる腸管バリアの破綻が起点になることを立証し、さらに、AD患者と健常人の糞便細菌叢を解析して、AD発症に関与する腸内細菌8種とAD発症抑制に関与する腸内細菌17種を同定してPCT国際特許申請した。

腸内細菌の変化は疾患発症のかなり前に変化する。

東北大学加齢医学研究所チームは、AD発症に関与する腸内細菌8種とAD発症抑制に関する腸内細菌17種の動態を今後大規模臨床試験で解析することでAD予備群をスクリーニング出来る可能性を考え、新たな臨床試験を計画・準備中である。