理事長
井村 洋一
医療法人財団 暁 理事長の井村です。謹んでご挨拶申し上げます。
当法人の指揮を執るに当たり、「地域に根差す」といった良き伝統を守って行くのはもちろんですが、新たに力を入れたいことがあります。「人生を診る・看る」ということです。専門分化が進む現在、医療は疾患だけをみる臓器医療に陥りがちです。医療には分野ごとの高度な専門知識・技術は必須ですが、木を仔細にみるだけでなく、森をみ、山をみ、その歴史を将来をもみるべきだと考えます。
つまり、私どもは修理工ではないのですから、ただ病気だけをみるのでなく、現にここにいる人をみ、その生活をみ、属する社会から大きくは政治的・経済的・文化的な社会状況まで視野に入れて、この病気はこの人の人生にどういう意味を持つのかをみた上での医療ということです。
大袈裟だとお感じでしょうか? 確かに鼻風邪程度ならばそこまでする必要はないでしょう。けれども風邪を繰り返すとしたら?免疫力は日々のストレスでも隠れた大病でも低下します。これは既に繰り返される風邪という形で現れたその人の人生の一断面です。まして慢性疾患や大病ともなれば人生の質や社会的生命・生物学的生命に関わります。
この様に、病気を通して患者様一人一人の人生を考えること、時には共に歩むことが本当の 医療だと考えます。職員一同、真に親身な医療に努めて参りたいと思います。