名誉院長メッセージ

伊藤 名誉院長

療養型病院の型にはまらず、次のステップへ

 当院は1978年に療養型病院として開設されて、いまの理事長で2代目です。

 ちょうど私が当院に非常勤で来るようになった20年くらい前は、まだ一般的な老人病院のようなイメージでした。ただ、療養型病院には珍しく健診センターが併設されていました。健診を受けた方が外来を受診するようになり、それを土台にして発展していきました。初代理事長に先見の明があったのだと思います。その後、地域の要望に合わせて、あきる台クリニックやデイケアセンターを開設し、利用者さんやご家族が当院を受診するような流れができました。

 あきる野市の医療圏は、住民の年齢層や男女比などのバランスが取れているということもありますが、おかげ様で、毎月の外来患者数は前年比10%前後増加し、右肩上がりです。地域の方の、あきる台病院のイメージもずいぶんと変わりました。療養型病院で苦労していた段階からは脱して、いまは次のステップに向かっています。

本当に地域が望む医療を提供したい

 今後の展開としては、長期療養の患者さんだけでなく地域包括ケアや回復期の患者さんを受け入れて、在宅に戻すという流れを作っていきたいと考えています。患者さんの入退院はこれまで以上に増えますが、あきる台病院を退院しても、あきる台クリニックなどの関連施設で訪問診療・訪問看護・訪問介護・訪問リハまで一貫して対応できるシステムが整備できています。リハビリスタッフは40名以上在籍しているので、さらに訪問リハビリなどのエリアを拡大し、サービスを深めていきます。

 周辺エリアの特別養護老人ホームなどの施設と医療管理契約を結んでおり、地域から訪問診療のニーズもあり、地域包括ケアシステムをより強固なものにしていくためにも訪問診療、在宅診療を任せられる医師の確保が重要となっています。

医師それぞれに合った働き方、仕事をしてもらいたい

 当院の常勤医師は皆さん、50歳前後の働き盛りです。先生たちは勤続10年近く、25年以上の先生もいます。常識的で趣味もあり、家庭も安定していて、穏やかな方ばかりです。私は相撲部出身ですが、最近はもっぱら山登り。65歳を過ぎて、もう相撲は取れないですしね(笑)。

医師という視点では、それぞれがきちっとした専門を持っています。広く内科診療をして、自分の芯となる専門領域を活かして、様々な医療サービスを患者さんに提供してきたことで、患者さんが信頼してくれて、ここまで来ることができました。お互いの専門領域で助け合って、和気あいあいと仲良くやっています。

私は先生達にあまり無理なことは言わないです。無理なことを言って、無理やり働いてもらおうとは思わないので、それぞれの先生の気持ちを大事に尊重して、お互いに相談しながら仕事のボリュームや内容を決めています。 神経内科やリハビリテーション科の専門医がいらっしゃれば嬉しいですが、当院は診療等の守備範囲が広いので、広く診療ができて専門をお持ちの先生であれば、いくらでも活躍してもらう場所があります。ともに和やかに働ける先生をお待ちしています。